*「バイオエコノミー」とは、生物資源(バイオマス)やバイオテクノロジーを活用して、天然資源枯渇、気候変動、少子高齢化、食料安全保障など、人類が直面する地球規模の諸問題を解決し、長期的に持続可能な成長を目指す概念であり、第5次産業革命とも言われる社会構造改革の原動力である。そのアウトプットは2030アジェンダ(SDGs)のほぼ全ての項目を網羅している。
【ベルリンIDN=リタ・ジョシ】
「グローバル・バイオエコノミー・サミット2020」(11月16~20日)がベルリンで開催され、参加者らは、危機的な脅威に直面している地球環境の現状や、科学の進歩が可能にした様々な機会、さらには新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的な大流行(パンデミック)がもたらした甚大な影響を踏まえて、バイオエコノミーへの移行の必要性を訴えるコミュニケ(共同声明)を発表した。同サミットは、世界各地から参画した約40人の先導的なバイオエコノミーの専門家から成る「国際諮問委員会」(IACGB)が開催したものだ。声明は、「(移行時期について)これほど緊急性を帯びている時はない。」と指摘している。
3回目となる今年のサミットは、COVID-19の影響でオンライン開催(1000人以上が視聴した)となったが、政府・産業界・学術界などから主要な利害関係者が参加した。サミットの目的は、世界中で持続可能なバイオエコノミー政策を展開していくために、忌憚なく話し合いができるプラットフォームを構築することにあった。4日間の会期中、参加者らはバイオエコノミー政策と、世界の持続可能な開発や気候問題との密接な関連について協議した。
- Katsuhiro Asagiri
- ニュース
- 環境・資源・エネルギー